1.トラマドール静脈内投与の安全性および至適用量・用法を検討する探索的研究

(1) 研究機関名および研究責任者氏名

 研 究 機 関:朝日大学歯学部口腔病態医療学講座歯科麻酔学分野

         朝日大学医科歯科医療センター歯科麻酔科

 研究責任者氏名:後藤隆志

(2) 研究期間

 2019年11月1日〜2022年3月31日

(3) 対象者の条件

 20〜39歳の健康男性ボランティア

(4) 研究の意義と目的

 親知らずの抜歯などの口腔外科手術の術後は痛みを生じるため、いろいろな鎮痛薬(痛み止め)を使用しています。しかし、鎮痛薬によっては副作用があるため、 患者さんによっては使用する鎮痛薬の種類や投与方法を考える必要があります。例えば、アスピリン喘息という病気を持っている方は、一般的な鎮痛薬を使うと重篤な喘息発作を起こすため、安全に使うことができる鎮痛薬がほとんどありません。しかし、この研究で使用する『トラマドール』という鎮痛薬は、副作用の出現率が比較的低く、日本では1978年から安全に使用されている薬で、アスピリン喘息を持っている方に対しても副作用を起こすことなく使用できる数少ない薬の一つです。副作用の少ない鎮痛薬『トラマドール』を口腔外科手術中に使用して、手術後の痛みを軽減することで、少しでも快適な術後を提供することを目的としてこの研究は行われます。トラマドールを点滴から投与(静脈内投与)すると、口腔外科手術の術後鎮痛に非常に効果があることが海外の研究で証明されています。しかし、 日本においてトラマドールは経口薬や筋肉注射でしか使用することができません。そこで、この研究では、今後、日本においてもトラマドールの静脈内投与が行えるように、トラマドール静脈内投与の安全性を確認することが本臨床研究の目的となります。そのためにまず、健康な成人男性の方にボランティアとして参加いただき、 トラマドール静脈内投与が安全に行えるかどうかを確かめる必要があります。日本では承認されていない投与方法ですが、海外では一般的に行われている投与方法です。トラマドール静脈内投与の海外での使用例を見てみると、重大な副作用の報告はほとんどなく、血圧や呼吸に関する観察を適切に行えば安全に行える方法です。そして、この研究で得られた結果をもとに、今後、患者さんを対象とした研究で、トラマドール静脈内投与の鎮痛効果について調べる予定です。

(5) 研究の方法

 この研究は、厚生労働大臣認定東京大学臨床研究審査委員会(承認番号:CRB3180024)および朝日大学倫理審査委員会の承認を受け実施するものです。

 jRCT  https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCTs031190108

 研究のおおまかな流れですが、同意取得後、この研究に対する適格性を判定し、 適格性が満たされた場合は研究対象者として登録されます。その後、トラマドールを投与する各種方法・用量に割り付けし、投与前評価、血液検査、トラマドール投与15分、30分、60分、2時間、3時間後に評価、帰宅、翌日に簡単な診察と血液検査を行い、アンケートを回収、投与7日後に再度血液検査行うという流れになります。また、翌日から13日後までの間に異常が見られた場合は電話にて連絡をしていただきます。

この研究ではトラマドールを6種類の方法で投与します。登録順に各方法に割り付けますので、どの方法で行うかを選ぶことはできません。

 試験薬を投与する当日と前日はアルコールの摂取はできません。また、1週間以内に鎮痛薬やその他の薬を使用した場合や当日の体調がすぐれない場合は申し出てください。試験薬の投与を始める前に身長や体重測定を行い、血液検査といくつかの簡単な検査を行います。その後、血圧計や脳波モニター、心電図、パルスオキシメーターなどのモニターを装着・測定後に数値を記録し、点滴をとった後に試験薬(トラマドール)を投与します。トラマドールを投与後、スケジュール表に沿って観察を行います。気分が悪くなった場合は速やかに申し出てください。翌日の血液検査、自覚症状・他覚所見、疾病等の観察およびアンケートは10分程度で終了する内容です。試験薬投与7日後に血液検査を行います。13日後までに異常があれば電話にて連絡してください。

 (6) 個人情報の保護

 この研究で得られた結果は、Japan Registry of Clinical Trials(jRCT)の臨床研究実施計画・研究概要公開システムに公表されます。また、医学雑誌などにも公表されることがありますが、あなたの名前等の個人情報は一切わからないようにしますので、プライバシーは守られます。この研究で得られた情報は、 研究終了後もあなたの氏名を符号に置き換えることにより誰の情報かがわからないようにした上で厳重に保管し、研究終了後5年間保存します。また廃棄の際にも保管と同様に個人の識別ができないようにした上で、二人以上の研究責任者・研究分担者の立ち会いのもと、シュレッダーにて廃棄します。

また、この研究で得られたデータをこの研究以外で再利用する場合があります。情報の再利用に同意いただけた場合は、5年間の保管期限を延長し、その内容は認定臨床研究審査委員会や倫理委員会等、適切な委員会の審査・承認を得た上で情報を再利用し、あなたの個人情報は保護されるよう対応します。

(7) 利益相反について

 この研究に関する費用は、日本学術振興会(文部科学省)の科学研究費(研究課題名:口腔外科手術に特化した術後鎮痛法の確立、研究番号:18K17211)および朝日大学歯学部口腔病態医療学講座歯科麻酔学分野の研究費から支出されています。

 研究グループが公的資金以外に製薬企業等からの資金提供を受けている場合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨床研究の結果の公表が公正に行われないのではないか(企業に有利な結果しか公表されないのではないか)等といった疑問が生じることがあります。これを利益相反(研究対象者の利益と研究グループや製薬会社等の利益が相反している状態)と呼びます。利益相反については、研究を実施する医療機関の利益相反を確認する担当部署に申告し、確認を受け、認定臨床研究審査委員会で審査して承認されています。利益相反の有無に拘わらず、研究対象者の不利益に繋がることはありません。利益相反の更新は毎年行い、新たな利益相反が生じていないか確認いたします。なお、本研究に関わる研究者はトラマドールの製薬会社である日本新薬株式会社やその他の会社などとは、一切の利益相反関係はありません。

(8) 謝金について

 研究対象者には謝金が支払われます。

(9) 問い合わせ先

 あなたやあなたのご家族が、この研究について知りたいことや、心配なことや相談したいこと、苦情等がありましたら、遠慮なく研究責任医師・研究分担医師または下記のお問い合わせ窓口までご相談ください。ご希望により、他の研究対象者の個人情報の保護とこの研究の独創性の確保に支障のない範囲内で、この研究計画および研究の方法に関する資料の一部を閲覧することも可能です。

 

この研究に関するお問い合わせ先

 朝日大学歯学部口腔病態医療学講座歯科麻酔学分野

 研究責任者:後藤隆志

       TEL / FAX   058-329−1479

       メールアドレス takashigoto@dent.asahi-u.ac.jp

 朝日大学医科歯科医療センター

 研究対象者相談窓口:センター事務課課長 古泉 尚

            TEL   058-329−1112     FAX   058-329-1137

2019年11月1日